北京
PM2.577
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米國は先ごろ、外國企業の參入審查を改革する法案を発表した。外國投資委員會の機能をほぼ10年ぶりに強化するもので、米國に進出する企業に対しての審查が一段と厳しくなる。
このところ米國は、參入規制をする際に決まって「國の安全を守るため」という絶対的な理由を挙げている。今年に入って、シンガポールのICチップメーカー・ブロードコムによるクアルコムの買収提案に待ったをかけ、また中國の螞蟻金服によるマネーグラムの買収、大北農集団によるウォルドファームスへの買収といった、米國企業への投資活動を卻下した。理由はすべて「國の安全を守るため」という。先ごろ成立した外國企業への審查改革案は、外國投資委員會に対する権限をさらに強化するもので、技術関係や不動産などの業界への投資に制限を加えるほか、これまで規制対象外だった少數の株の取得にも制限をかけている。
こうした審查や規制の強化で、大きく影響を受けるのが中國企業である。米國の外國投資委員會が去年9月に発表した、2015年度の審議報告によると、この年に審查をした取引の數は143件で、うち中國企業に関わるものが20%を超える29件であった。米國における外國資本のうち、中國の佔める割合はわずか0.2%にも満たないが、國別の安全審查実施件數は4年連続で中國が最も多くなっている。
今年の4月、ニューヨークのロディウム・グループと米中関係全國委員會が共同発表した投資レポートによると、去年の中國の対米投資額は290億ドルで、前年比35%マイナスであった。またロディウムの6月の発表によると、今年1月から5月までの中國による米國企業の買収もしくは直接投資額は、前年同期比92%減のわずか18億ドルにとどまり、7 年ぶりの低い水準となった。主な理由は、米國が中國からの投資への審查を強化したこと、ならびに中國に対する通商法301條発動の一環として、參入規制を加えたことである。
米國の政治家は、先進技術を導入するのは企業として當然の行為であることを認識すべきである。米國の多國籍企業も、全世界から特許を購入したことで技術的な優位性を勝ち得たわけである。例えば、グーグルは2011年、125億ドルをかけてモトローラを買収したが、その目的は1萬7000件にわたるモトローラの特許を取得するためである。こうした取引を認可した際に、技術の買収を問題視したりしてはいないはずである。中國企業も同じように、市場のルールに基づいて事業展開し、技術や特許を仕入れているわけであり、こうした行為は売買雙方の利益に合致し、また、かねてから米國が主張している契約の自由という原則にも沿ったものである。
締め出し政策を進める米國とは対照的に、中國は絶えず対外開放を進めている。例年通り今年も6月に外國企業の參入に関するネガティブリストを発表し、63件あった參入規制の対象項目を15件撤廃した。中國商務部によると、今年上半期に國內に設立された外國企業の數は前年同期比96.6%増の29591社であり、外國資本の利用額は同1.1%増の683億2000萬ドルであった。一方、米國の経済分析當局によると、今年1月から3月までの外國からの正味直接投資額は513億ドルで、昨年同期比で37%減、一昨年比では65%減となっている。
外國への門戸開放を続ける中國と、外國との障壁を一段と強化する米國。歓迎されるのはどちらの國か。言わずもがなである。