【CRI時評】劉鶴副総理が語る経済と金融

　十九日午前、劉鶴中國共産黨中央政治局委員兼國務院副総理が中國の中央メディア三社の記者による合同インタビューに応じ、中國の株式市場、私営企業の先行き、経済と金融の情勢と産業構造の変化等、國內外の注目を集めるトピックについて語った。

　劉副総理の語った內容からは、大まかに言って三點のシグナルが発せられている。

　一點目は、「中國は今最も投資価値のある市場になりつつある」という點だ。

　劉副総理は，ここのところ、中國の株式市場には明らかなボラティリティと下落が見られているが、これは「様點な要素によるものだ」とし、そこには中央銀行の利上げや中國経済の構造の新舊交代、市場予測の投資家マインドへの影響などがあると語る。そして、「中米貿易摩擦も市場に影響を與えているが、正直に言うならば心理的要素が実際の影響を上回っており、中米は現在コンタクトを取り合っているところだ」とする。中米全面経済対話の中國側世話人として、劉副総理がメディアに対し「現在も中米はコンタクトを保っている」と述べたことは、中米両國が貿易戦爭をエスカレートさせたくないという意思を共に持つことを示すシグナルであると言えるだろう。

　劉副総理は、中國政府はこのところ「特定の目的の下に」、市場の安定化、市場の基本制度改革、國有企業改革と私営企業の発展促進、開放拡大等の分野で様點な新施策を発表しており、関係機関にも「実施規模を広げ、責任感を強め、自ら困難に立ち向かい、素早く行動する」ことを求めることで、多くの個人投資家や機関投資家が早期にその効果を実感できるよう努めていると強調している。

　二點目は、私営経済の「四つの必須」と「五六七八九」だ。

　劉副総理は、私営企業に対しては、基本的経済制度の堅持、中小零細企業が現在直面する一時的困難への重視、より一層の中小零細企業を支持する政策措置についての検討の深化、中小零細企業及び私営経済の自己能力の向上等、四つの「必須事項」を強調すべきと指摘する。これらの観點は、中國の私営経済が。中國経済全體の中で稅収の「五」十％、GDPの「六」十％以上、イノベーションの「七」十％以上、都市近郊における就業機會の「八」十％、新規雇用と新規登記企業の「九」十％以上を佔める事実を裏付けるものであり、當局が國家経済のハイクオリティ発展の実現と、近代化経済體系の建設を目指す中における私営企業への期待を物語るものと言える。

　「國有企業が勢力を拡大し、私営企業が規模を縮小する」という議論に関しては、劉副総理は現代の産業チェーンの理念を用い、國有企業と私営企業の間における「高度な補完性、相互協力、相互支持」の関係を分析し、未來の中國経済はこうした方向で前進を続け、ハイクオリティな発展を目指すと強調する。

　三點目は、歴史の趨勢から見て、中國経済には「明るい未來が開けている」という點だ。

　現在の経済と金融の情勢と産業構造の変化については、劉副総理は主として経済指標、國際的評価、金融パフォーマンスの面から分析を行っている。劉副総理は、現在の中國は安定成長、構造調整、リスク回避の関係を確実に調整していく他、サプライサイド構造改革を中核とする政策體系を著実に展開し、私営企業発展の支持、國有企業改革の深化、金融システムの実體経済へのサポート能力の増強の三點を急務とし、中所得層、高齢化、新たなテクノロジー革命と産業の変革、グリーン発展の四方面のニーズを確実に捉え、近代的経済システム建設を加速しなければならないと強調する。

　同じく十九日、中國は今年のこれまでの三四半期の経済統計データを公表、前年同期比六・七％増となり、経済運営は大枠で安定しており、安定の中にも成長が見られ、ファンダメンタルズは長期的上昇傾向が継続するとしている。外界の不確実性要素が強まる程に、中國人は自らの問題を解決し、國內の発展の確実性で外部の不確実性要素を打ち消していく必要がある。これは正に劉副総理のいう「我點が向き合う困難と問題はいずれも前進の為の困難と問題であり、この點を心に留めておけば、精神狀態も落ち著き、中國の明日も必ずやより良いものになる」に他ならないだろう。