【CRI時評】中米の往來に「疑心暗鬼」の心理を持ち込む勿れ

　ペンス米副大統領が先頃行った中國を全面攻撃する演説の中で、「中國の安全機関が最先端の軍事技術の青寫真を含む米國のテクノロジーについて全面的なハッキングを策謀している」と述べたのと時を同じくして、米國の著名媒體ブルームバーグ社が米國の多くのテクノロジー企業に中國の「スパイチップ」が埋め込まれているとの噂を書き立てた。その報道は記事に名前の挙がった企業や米國土安全省から否定されはしたものの、米國の媒體はなお「現在中國が米國の電子製品のサプライチェーンへの侵害を行っていないとしても、いつかはそういう動きに出るだろう」とうそぶいている。こうした無責任な言論は、米國の一部の人點が中米関係の発展という問題において「疑心暗鬼」的な焦燥を感じていることの表れと言える。

　この時代において、人點はインターネットによる生活の利便性を謳歌しながらも、半導體やネットワーク等の専門技術に関する知識はそれ程浸透していない。ここに、一部の下心を持つ人點が様點な「陰謀論」を書き立てる餘地が生まれている。そして、ブルームバーグ社が「スパイチップ」報道でアップル社やアマゾンドットコム等、米國のテクノロジーにおけるリーディングカンパニー、そして米國土安全省の反駁を受けながらも、尚同様の記事を発表し、中國に濡れ衣を著せたことは、世界中のテクノロジー企業の株価の相次ぐ下落を誘い、ナスダックでは下半期最大の下げを招くこととなった。

　虛言は千回繰り返しても真相になることはない。これは、米國の著名な國際問題の専門家で、「中國通」と呼ばれるロバート・クーン博士は先頃、ハーバード大學で中米シンクタンク・ダイアローグに參加した際、「コンピューターの中に悪意あるチップを埋め込み、一部の企業の機密を掠取した事が発覚したならば、一つの國家の業務サプライチェーン丸ごとを犠牲にすることを意味している。誰がこんな一つも得のない決定を下すだろうか」と指摘していることからもわかろうものだ。

　理性ある思考と判斷こそが、中米関係の中の様點な矛盾と問題を分析する際にとるべきスタンスだ。米媒體が何度となく「でっち上げ」る「スパイチップ」なる報道は、米政府が次期の対中政策を決定する際に依拠するところとなるやも知れない。しかし、こうした依拠材料が真実性を欠くことは、調整の続く中米関係にとって、不利な材料でしかない。

　ハーバード大學アジアセンターのフェローであるウィリアム・オーバーホルト博士は嘗て、「スパイチップ」事件は米國のナショナリストらに利用されやすく、特に中米関係がセンシティブな時期にある今、彼らは米政府に対中政策の調整や、中國への依存減少を求めるようになることや、米國の多くの政治家らがこうした傾向にあることを指摘している。

　今年に入って以來、台灣関連の內容を含んだ中國企業の米國における投資を規制する『國防権限法案』にせよ、『USMCA（米・メキシコ・カナダ協定）』におけるいわゆる「非市場経済國家」を含む「ポイズンピル」にせよ、いずれもが米國が根拠を欠いた粗探しに走る狀態を反映したものだ。

　ペンス氏は演説の最後に中國の文豪魯迅先生の言葉を引用＊1し、中國がこれまで他國を対等に扱っていないという趣旨の內容を述べようとしたが、実際には、魯迅先生のことばが最も似合うのは米政府ではないのだろうか。それはつまるところ、「疑心暗鬼」な心理で中國の発展を理解し、中米関係を処理することであり、それは世界の二大経済國が多くの協力のきっかけを逃すことに繋がり、世界により多くの不安定性と不確実性をもたらす事にしか繋がらないだろう。（CRI論説員　趙新宇）