北京
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賈樟柯(ジャ・ジャンクー)は1970年山西省生まれ。中國映畫界の「第六世代」の監督として知られています。大多數の作品が出身地の山西省を舞臺としており、そのヒロイン役の多くにも山西省出身の女優、趙濤(チャオ・タオ)を起用(なお、2011年にジャ監督は趙濤との結婚を発表)して、個人色の強い作品を発表してきました。
彼は北京電影學院卒業後、1997年に製作した初の長編映畫『一瞬の夢』が1998年の第48回ベルリン國際映畫祭のフォーラム部門に出品され、新人監督賞であるヴォルフガング・シュタウテ賞と最優秀アジア映畫賞であるNETPAC賞を受賞したほか、釜山國際映畫祭、ナント三大陸映畫祭でグランプリを獲得し、鮮烈なデビューを飾りました。2000年からは、日本の北野武監督の作品を手がけるオフィス北野と提攜し始め、その提攜作第1弾として、1980年代の中國で生きる4人の若者の姿を描いた『プラットホーム』は、第57回ヴェネツィア國際映畫祭のコンペティション部門に出品されNETPAC賞を受賞しました。以降は、2006年に、重慶の奉節県を舞臺にした作品『長江哀歌』が第63回ヴェネツィア國際映畫祭でグランプリとなる金獅子賞を受賞。実話を元にした群像劇『罪の手ざわり』(2008)が第66回カンヌ國際映畫祭で腳本賞を受賞するなど、國際的に好評を受けています。
2015年には、カンヌフランス映畫監督協會による功労賞「ゴールデン・コーチ賞」を受賞。同年の『山河ノスタルジア』は第52屆台灣電影金馬奨最優秀腳本賞を受賞し、これにより國際的に評価の高いジャ監督の作品が初めて中華圏の映畫祭でも賞を獲得することになりました。
そして今年は、最新作『江湖児女(Ash Is Purest White)』が9月に全國公開を果たしたほか、日本の福岡市が主催する福岡アジア文化賞の大賞を受賞。同賞受賞の中國人は7人目となりました。
ジャ監督は、監督活動以外に、映畫祭のマネージャーとしても奔走しています。2017年、彼の呼びかけにより、山西商人が活躍した中國清代の金融の中心地として知られる山西省平遙県で、初の平遙國際映畫祭が開催され、北野武監督の『アウトレイジ 最終章(中國題:極悪非道3)』が出品されるなど中日の間で話題となりました。また、第2回平遙國際映畫祭は今年10月12日から20日にかけて開催。今回の映畫祭には25の國や地域からの作品が出品され、その半分がワールドプレミア上映となりました。ジャ監督によると、今回映畫祭のテーマは「映畫フェア」で、身近な蕓術として映畫を楽しんでほしいとの思いが込められているということです。
(ミン・イヒョウ 謙)