北京
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23/19
映畫のポスターに欠かせない「キャッチコピー」に注目したことはありますか?中國では近年になって、さまざまなキャッチコピーを見かけるようになりました。短い言葉に映畫の魅力が凝縮されていて、中には「この映畫を観たい!」と思わずにはいられなくなるような名文句もあります。中國語のキャッチコピーの意味を知ることは、映畫への理解を深めるだけでなく、日本の皆さんにとって中國語學習の良き教材となることでしょう!
今月の『映畫のキャッチコピーに學ぶ』は、數點の社會派コメディに出演し、いま中國で最も注目されている女優の一人、任素汐(レン・スウシー)の主演作をピックアップしてご紹介します。
キャッチコピー:講個笑話,你可別哭(jiǎng gè xiào hua,nǐ kě bié kū)
日本語訳:今から笑い話をするけど 泣かないでね
こちらは任素汐の出世作ともいえる『驢得水(Mr. Donkey)』(2016)のキャッチコピーです。舞臺となるのは民國時代、山間部の小學校。水を運ぶロバが欲しかったこの小學校が、英語の先生という名目で「呂(驢)得水先生」と名付けたロバをこっそりと飼い始めます。この「呂先生(ロバ)」をめぐって、個性あふれる學校の先生たちと教育部(日本の文部科學省に相當)の特派員との間で繰り広げられるとんでもない駆け引きを描いています。笑い話のようですが、物語を通して人間の無力さややるせ無さを伝える時代を風刺する名作となっており、「笑えるけど泣けてしまう」內容であることから、このキャッチコピーが生まれました。任素汐は作中で、陳腐な時代を生きながらも新しい考え方を持つ女性教師を好演し、獨特な存在感を放っていました。
キャッチコピー:夜黑風高 咔咔咔 提心吊膽 啪啪啪(yè hēi fēng gāo kā kā kā tí xīn diào dǎn kā kā kā)
日本語訳:ビクビク カカカ ドキドキ パパパ
こちらは、任素汐が男に振り回されるおバカな女役を演じた2017年の喜劇映畫『提著心,吊著膽(Absurd Accident)』のキャッチコピーです。本作は中國の東北でレストランを経営する楊夫妻が主人公で、浮気疑惑のある妻への復讐を企む夫の「計畫」に、ひょんなことから強盜の2人と男女カップルの2人が続けざまに巻き込まれ、事態が収束のつかない方向へと発展していくドタバタ喜劇。「夜黑風高」と「提心吊膽」はいずれも中國の四字熟語で、「真っ暗で薄気味悪い夜」と「ビクビクする不安な気持ち」という意味。ポイントは「咔咔咔」と「啪啪啪」といった擬聲語。辭書に載るような正しい言葉ではないため、具體的には発音だけ聞いて「ご想像にお任せ」となりますが、ネット用語としては「咔咔咔」は喧嘩や毆り合い、「啪啪啪」は男女の交歓の場面によく登場しているようです。
キャッチコピー:人生如戲 笑著活下去(rén sheng rú xì xiào zhe huó xià qu)
日本語訳:人生は映畫のごとし 笑って生きなよ
現在、中國で話題沸騰中の喜劇映畫『無名之輩 (A Cool Fish)』から。本作は社會の下層を力強く生き抜く「無名之輩」(一介の民)たちが、ある強盜事件をきっかけに現実と果敢に向き合っていく姿を描いた群像喜劇です。ヒロイン役を演じている任素汐は、事故により全身不隨になった女の子を演じ、車椅子演技に挑戦しています。このキャッチコピーの中の「戲」は「劇」の簡體字で、芝居、演劇、映畫など演技に関わるすべての蕓術形式を指しています。(ミン・イヒョウ、謙)