北京
PM2.577
23/19
新型コロナウイルスの感染は全世界の多くの場所で広がっており、現在までに數十カ國が緊急事態を宣言した。國際社會は、予防と抑制の協力を強化する必要性に強く迫られている。ところが、米國の一部政治家による保護主義と利己主義は、感染症対策の國際協力を破壊しつつある。
米放送局のCBSによれば、ナバロ米大統領補佐官(通商製造政策局長)は醫療分野のサプライチェーンが他國から米國に戻り、外國への依存を低減させるために、トランプ大統領に大統領令を出すよう働きかけている。しかし、全世界の既存のサプライチェーンは、各國の資源と能力の比較優位性により長期に渡り形成されたものであり、市場の法則と企業の選択が共に作動した結果だ。行政手段によって醫療分野のサプライチェーンを自國に引き戻そうとすれば、生産効率と企業の利益の面で二重の損失がもたらされることは確実だ。
それとは別に、『ニューヨーク・タイムズ』の最近の報道によれば、米國政府は新型コロナウイルスのワクチンを開発中のドイツ企業に10億ドルを提供し、ワクチンの獨佔権を入手することを望んでいる。その理由とは「米國大統領が、米國人だけにワクチンを提供することを望んでいる」だという。ドイツのホルスト・ゼーホーファー內相も、同情報を事実と認めた。ドイツ・メディアは「ワシントンの醜い姿を全世界に示した」と、米國の計畫を痛烈に批判した。
感染症の予防と抑制は、それぞれの國のやり方と責任の負い方を寫し出す鏡のようなものだ。ワシントンの政権擔當チームに屬する一部の政治家にとってすれば、保護主義と「アメリカ・ファースト(米國第一主義)」は當然のことなのだ。これらの政治家は政策決定の頭脳部門に対して、常識や規律とかけ離れた、ひいては道徳の最低ラインまで踏みにじる提案を、絶えず行っている。まさに、感染症の予防と抑制での國際協力を破壊する力だ。(CRI論説員)