【CRI時評】TikTokの粗暴な排除は米國の悲哀

2020-08-05 11:57  CRI

 米國は最近、中國の短編動畫投稿アプリ「抖音」の海外版である「TikTok」を行政手段によって排除しようとたくらんでいる。トランプ大統領は3日、TikTokについて「9月15日までに米企業へ売卻されなければ、閉鎖させる」と述べてさらなる脅しをかけ、「米國事業売卻益の非常に大きな割合に相當する額を國庫に納めるべきだ」とまで揚言した。

 いわゆる「國家安全」を理由にTikTokを排除しようとする米國の試みは、華為技術(ファーウェイ)などの中國企業に対する「推定有罪」と完全に似通っている。米スタンフォード大學法科大學院のマーク・レムリー教授は、米CNNのインタビューで、「米國の國家安全に脅威をもたらすという実際の証拠はない」と指摘している。さらに一部のアナリストは、「これは米政治家と一部のインターネット大手が共謀して推し進める政治的な迫害だ」とも指摘している。

 ビジネスの観點から見ると、TikTokは、全世界に10億人のファンを擁し、圧倒的に流行しているソーシャルソフトウエアであるため、データの安全性を高度に重視しないということはあり得ない。その親會社には中國というバックグラウンドがあるとはいえ、このソフトウエアは開発・公開當初から完全に中國市場の外で獨立し、海外ユーザーのニーズに応える発展戦略を取ってきた。TikTokの米國ユーザーのデータはすべて米國內に保存され、バックアップデータはシンガポールに保存されている。米政治家は、TikTokが中國の「情報収集ツール」になっていると中傷し、経済問題を完全に政治化している。

 米行政當局がTikTokを「排除する」と脅すもう一つの原因は、このソフトウエアが鮮明なポジショニングとイノベーションでユーザーを引き付け、Facebookなどの米インターネット大手による長年のソーシャルメディアの獨佔を打破したことにある。彼らは、自らの競爭力の欠如を懸念し、インターネットの世界の覇権が損なわれることだけを気にしながら、後発の優秀な企業の息の根を発展の途中で止めようとしている。

 英紙フィナンシャル・タイムズは、米國政府の介入の目的について、「中國企業にTikTokの米國事業を想定よりも低い価格で完全に売卻するよう迫ることだ」と指摘している。これについて、米國のネット上では怒りの聲が噴出している。9人のTikTokスターはこのほど、トランプ大統領に連名の書簡を送り、「Twitter上の憎悪が支配的な仮想世界は、TikTok上の喜びやコメディーの短編動畫に比べて何の意味もない」とし、TikTokを強制的に排除することはとてもばかげていると述べている。

 ところが、そうしたアプローチは本當に米國の國益にかなうのだろうか。TikTokは米國で1500人を超える従業員を雇用しており、さらに今後3年間で1萬人以上を採用する計畫を発表している。TikTokに対する悪意のある抑圧は、米國が公言する「経済の立て直し」から完全に逸脫している。

 米國政府は、世界貿易機関(WTO)の開放・透明・差別しない原則に公然と違反している。米國市場に參入して抑圧されるのを待つような外國企業など他にあるだろうか。テクノロジー分野の革新者がひとたび米國から遠ざかれば、米國市場が衰退に向かうことは必至だ。これはまさに今の米國の悲哀だ。(CRI論説員)

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張強