聞き手：王小燕

　今回も引き続き、TBS世界遺産の中國ロケの思い出です。場所は庭園で世界にその名を馳せ、大野さんが大好きだという蘇州です。1998年放送の「蘇州古典庭園」と題した番組では、以下のフレーズで結んでいました。

　「蘇州の庭園を築いた役人や大商人たちは自らの作った小宇宙である庭で詩をよみ、楽器を奏でました。彼らは日點、政治や商売の世俗にまみれた世界で暮らしていました。それゆえにこそ、時には庭の一角にたち、清い文人の気持ちを取り戻したかったのかもしれません」

　さて、この「清い文人の気持ち」の結晶としての蘇州庭園を、どのように生き生きとした番組にするのか。何せ、蘇州入りの期間は梅雨の真っ最中でした。今回も畫面を見るだけでは、想像できない苦労との戦いがたくさんありました。

　詳しくは番組をお聞きください。

　
1998年、蘇州の庭園でロケする様子

　【プロフィール】大野清司（おおの　きよし）さん

　1949年、東京都生まれ。

　東京大學卒業後、1974年に株式會社TBS映畫社（現社名：TBS　VISION）に入社。主にドキュメンターリ番組のディレクター、プロデューサーとして番組製作に係わる。特に、1979年からは海外取材番組を擔當し、世界60ヵ國を取材。

　【主な擔當作品】

　・『美をもとめて』シリーズ、『世界の子供たち』シリーズ

　・『世界めぐり愛』シリーズ、『世界遺産』シリーズ

　・『遙かなるアンコールワット』、映畫『敦煌』公式記録VTR

　・中日共同製作『萬里の長城』（日本TBS＆中國CCTV）

　・TBS開局40週年記念番組『日本海大紀行』

　・『緒形拳：シルクロード列車の旅』

　その他、多數