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中國、変わる春節の過ごし方 帰省せずに食事もデリバリー

2018-02-13 12:26:25     cri    

 舊暦12月8日(今年は1月24日)の臘八節に臘八粥と呼ばれるお粥を食べ、舊暦12月23日(今年は2月8日)に祭■(かまど祭り、■は火へんに土)を祝い、舊暦12月24日(今年は2月9日)に大掃除をし、先祖を祀り、大晦日(今年は2月15日)に家族みんなで年夜飯(大晦日の夜に家族で食べる禦馳走)を食べ、夜明かしして新年を迎え、年始の挨拶周りをし、お年玉を配る……。これらの伝統文化は現在の中國の多くの人にとって、よく知られたものであるが、遠い存在となりつつある。新華社が報じた。

 現代テクノロジーが飛躍的に進歩し、生活のあらゆる分野に新たな可能性と選択肢が生まれた。例えば、春節(舊正月、今年は2月16日)に親戚の家に行って新年の挨拶をし、お年玉を配るという習慣は、微信(Wechat)などのSNSによって行われるようになっており、多くの人が微信を使って年賀メッセージを送り、お年玉を配り、お年玉の取り合いをし、それらを非常に楽しんでいる。子供の頃、お正月用品を準備し、春聯(春節にめでたい対句を書いて玄関などの両側に貼る赤い紙)、「福」の字などを窓や玄関に貼り、高齢者も子供も一緒に忙しくも楽しい時間を過ごした。一方、今はスマホを通して、お正月用品をショッピングサイトで購入すると、それを家まで屆けてもらえる。そして、お正月の最も重要なイベント「帰省」にも変化が生じ始めている。

春節に帰省せずに家族と一緒に旅行?

 春運(舊正月の帰省・Uターンラッシュに伴う特別輸送體制)の幕が開くと、旅行に出かける人も急増する。春節まであと數日あるものの、春節期間中の遠距離の海外旅行商品はすでにほぼ完売している。また、近場の海外旅行や國內の長距離の旅行商品も完売に近付いている。

 他の祝祭日とは異なり、春節の旅行は主に「家族旅行」で、家族連れで出かける30-45歳のグループが主力軍となっている。特筆すべき點は、今年の春節はバレンタインデーと重なっており、カップルで旅行に出かける人も増加していることだ。

春節は食事を作らずに年夜飯はデリバリー?

 春節を目前に控え、各レストランの年夜飯の予約は早い時期に埋まっており、デリバリーサービスが普及するにつれ、年夜飯の宅配も人気になっている。大晦日の4-5日前に予約しておけば、大晦日にレストランのおいしい料理を家まで屆けてもらえる。各レストランはいろんな価格帯のセットメニューを用意しており、セットメニューの內容を調整できるようにしているレストランもある。

 予約しておけば年夜飯を家まで屆けてもらえるほか、當日に「食べたい」と思ったものをすぐに屆けてくれる飲食店もある。あるデリバリープラットフォームの統計によると、大晦日の日も中國料理、西洋料理、軽食、デザート、火鍋、フルーツ・野菜などの飲食店の約3割がデリバリーサービスを提供している。

春節は街に出ずにネットショッピング

 「春節特需」に狙いを定め、各大手ネット通販プラットフォームが大點的に販売促進キャンペーンを行っている。消費者が今年購入しているお正月用品を見ると、それが一層國際的になっていることが分かる。ある機関が発表している統計によると、越境ECが普及しているのを背景に、海外商品が伝統的なお正月用品に佔める割合は63%に達している。春節の消費にも「海風」が吹いているのだ。また、海外製のお正月用品は、「一線都市だけを対象」に供給される商品ではなくなっており、二線都市でもその需要が激増しており、消費力が顕著に向上している。二線都市のうち、海外製のお正月用品の購入量が最も多い都市トップ5は、重慶、天津、南京、武漢、杭州。2016年同期と比べて、海外製のお正月用品の購入量は27%増加した。

 中國で自由貿易區の設置が進められるにつれ、今後、さらに多くの商品が関稅「ゼロ」で中國に輸入されるようになり、中國國內で消費の供給側の構造調整が促進されている。統計によると、17年上半期、中國の越境ECの取引規模は前年比30.7%増の3兆6000億元(約61兆2000億円)に達した。輸出入を促進する政策が実施されているのを背景に、春節の海外製のお正月用品の消費が絶好調で、中國の越境ECは18年に入っても急速な伸びを続けている。

 時代が変遷するにつれ、消費者の消費能力が向上し、消費習慣が多元化し、商品やサービスのクオリティに対する要求も高くなっている。春節は中國で最も重要な祝祭日であるものの、その過ごし方は時代の移り変わりと共に変わり、「以前のようなお正月ムードがなくなった」と感じている人も多い。

 しかし、どんなに大きな変化が起きようとも、お正月の最も大きな意義「家族団らん」が変わることは永遠にない。中國人の春節に対する期待、家族で一緒に過ごすという思い、人情味などは変わらない。つまり、過ごし方は変わっても、中國人にとって、春節は永遠に家族と一緒に過ごす祝祭日であるといえる。(編集KN)

「人民網日本語版」2018年2月13日

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