北京
PM2.577
23/19
米國では新年になってすぐに、一部の現職大統領の支持者が連邦議會を襲撃して大統領選挙の結果を覆そうとした。このことで、全米を震撼させる政治の嵐が発生した。民主黨の主導により事件後に、米連邦議會下院は「反亂を扇動した」などの理由で、現職大統領に対する2度目の弾劾を可決した。この政治茶番劇は、米國の「政治の生態」の鮮明な特徴を反映している。
米國の二大政黨にとって、黨利は國家と國民の利益を淩駕している。両黨のエリートは道理に基づき事を行うのではなく、権力ゲームの思考に押し流されて黨利に基づいて攻防を展開する。彼らの言動はすでに、三権分離の政治體制によって行政権と立法権の相互制約を実現するという初心から逸脫している。
政治の現実からすれば、一つの政黨が大統領の権力と上下両院の主導権を同時に掌握することは困難だ。二大政黨はいずれも政治権力の追求を目的として、「食うか食われるか」が常態になっている。その結果、重要な政策でも共通認識が形成されにくい、あるいは妥協による政策決定が容易に覆される狀態だ。これが、米國に存在する多くの社會矛盾を長期にわたって解決できない根本的な原因の一つだ。一方で、米國の社會構造には大きな変化が生じつつある。社會の各階層に対する利益の配分は不均等であり、それぞれの階層は國の政策に対していずれも不満を持っている。米國の二大政黨はいずれも、「支持基盤」を固めるために社會福祉や社會における公平さ、外來移民などの問題についての原點を対立させるので、國家統治の面で解消困難な対立が必然的に発生し、最終的には米國の広範な民衆の利益が傷つけられている。
米國が政治體制と社會の深部に潛む危機を解決できないのなら、最終的にはエスカレートしつづける黨派間の権力闘爭により、米國の生命力が消耗してしまうことになる。(CRI論説員)