北京
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高齢化社會の進行にあわせて、中國でも日本でも「健康壽命」への関心が高まりつつあります。ただ長生きするのではない「健康長壽」の考え方と、そのための先進醫療やヘルスケアなどが、中日民間交流の新たな注目點になりつつあります。
今月17日、中日両國の醫學専門家をオンラインでつなぐ「中日大健康醫療フォーラム」が開かれました。その様子は中日両國の醫療関係者および一般參加者向けに逐次通訳付きでライブ配信され、視聴者數は延べ4600人に上りました。
このフォーラムは中國の民間企業と日本の醫療団體の共同主催によるもので、今後はシリーズ企畫としての定期開催を目指し、ゲノム醫療、AI分析による生活習慣の指導、低侵襲手術(身體へのダメージが少ない手術)、終末期醫療など醫療界の最新の動向にフォーカスし、中日の醫療関係者や一般人の交流の場の構築を目指すとしています。
フォーラムの日本側會場の様子
第1回のゲストとして、日本からは靜岡県立靜岡がんセンター參與で日中醫學協會副會長の安達勇氏が、中國からは検診や先進醫療を提供する愛康國賓グループ副社長で、中日友好醫院元外來部長を務める李秀池氏が迎えられました。
安達氏は講演の中で「遺伝、腸內細菌、生活習慣」の視點から話を展開し、醫療データの管理を「見える化」することで、未來を見據えた健康的な生活の処方箋を出していくべきだと呼びかけました。
李氏は中日の健康管理と健康診斷後のアフターケアについて講演し、「健康診斷は中國では雇用先の福祉として実施されるもので、個人が自発的に受ける健診は全體のわずか15%~20%しかない」という現狀を明らかにしました。
フォーラムは2時間余りにわたって続き、終了後に中國人參加者を対象に行ったアンケート調查では、日本の醫療について最も関心があるのは、ガンや循環器疾患(心疾患・脳血管疾患)、認知症、生活習慣病の予防治療および終末期ケア、介護などの分野における経験だということが分かりました。
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世界保健機関(WHO)が公開した最新の調查結果では、2019年の中國人の平均壽命は77.4歳(うち男性74.7歳、女性80.5歳)、健康壽命は68.5歳(うち、男性67.2歳、女性70.0歳)となっています。これに対して、日本厚生労働省のまとめでは、日本人の平均壽命(2019年)は女性87.45歳、男性81.41歳となり、健康壽命(2016年)は男性72.14歳、女性74.79歳となっています。
人點の平均壽命が伸び続けてきた中國は全面的な「小康社會(いくらかゆとりのある社會)」の実現を目指すうえで、「健康」をその內容の重點に位置づけてきました。また、中國の「第13次五カ年計畫」(2016〜2020年)では「病気の予防」が重視され、健康管理意識の向上を目指す「大健康」というコンセプトが初めて打ち出されました。これにより、國民の健康管理が國家戦略のレベルにまで引き上げられたことが、今回の企畫の大きな背景と言えます。
フォーラムの日本側主催者である國際醫療健康交流機構(IMH)の山本行俊代表理事は、「単に壽命を伸ばすのではなく、一日でも長く健康で過ごすことのできる『健康長壽』の実現が、醫療の大きな課題となっている」と企畫の背景を紹介し、中國側の主催者である「北京華益日盛健康」社の楊明月総経理は、「醫療に國境はない。新型コロナウイルス感染症のパンデミックが続く中で、中日雙方がヘルスケアの面でより幅広い交流と協力を行うことが、両國の福祉につながる」と開催に込めた思いを示しました。同社は2020年から、これまで十數回にわたって中日の醫療関係者のオンライン交流會を企畫・開催してきました。今回のフォーラムはこれらの実績を踏まえた上での実施となっています。雙方の主催側は、次回の「中日大健康醫療フォーラム」の9月開催を目指して準備を始めているということです。
中日両國の醫療界では、コロナ後の対面での交流やビジネス展開を視野に入れて、多くの関係者が動き始めています。
(取材・記事:王小燕、梅田謙 寫真提供:孟華川)