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「京都元夕」元好門

2017-02-15 13:41:04     cri    


 中國では先週の土曜日が、舊暦の1月15日にあたり一連のお正月行事が終了しました。今週に入ってから、街が本格的に動き出した感じです。日本に較べれば相変わらずの寒さの北京ですが、ここに暮らす人間からすると、幾分春めいてきたように感じます。木點の芽吹きや花の蕾などは、まだ見つからないものの人の心が春節を境に春という新しい季節に突入しています。もちろん、暦の上でも春を迎えていますが、中國では舊暦1月15日の元宵節を過ぎて、新しい年、新しい季節が始まるのです。年ごとに伝統的な行事が減っているのは日本も中國も同じかもしれません。先週までは五月雨式にあちこちで爆竹や花火の音が聞こえましたが、元宵節の夜を境にその音はぴたりと止んだ感じです。賑やかに爆竹などを鳴らして、正月気分に區切りをつける。そんな習慣が私は好きです。さて、今日は元好門の「京都元夕」を紹介します。

 作者、元好門は金末期の詩人。山西省太原の人。7歳の時から詩を作り、神童と呼ばれました。生涯のほとんどを山西省で暮らしたことや、南宋と同時期に中國に成立した金の人だったこともあり、あまり名前は知られていません。金の伝統文化の保護や仕事で接した農民たちの困窮ぶりに同情したり、祖國を愛した人間味あふれる人だったようです。詩のタイトル「京都(けいと)」は金王朝の都・汴京(べんけい)、現在の河南省開封のこと。「元夕(げんせき)」は舊暦1月15日の夜を言います。現在でも中國では舊暦1月15日までがお正月で、この日は元宵節といって提燈をかかげたり、張りぼてに燈りを點したりします。この詩の「燈火児童閙ぐ」の感じが容易にイメージできます。「袨服」は盛裝、綺麗な服裝、日本的に言えば晴れ著ですね。「華粧」は、華やかに化粧した、豪華な裝いを言います。これもお正月の雰囲気をよく伝える単語です。この詩は作者が任官試験に合格して都で國史院に配屬されていた時のものでしょう。この後、職を辭して中國の名山のひとつ嵩山(すうざん)や少林寺が有名な登封(とうほう)に帰ってしまいます。賑やかな元夕=元宵節の夜に1人華やいだ気持ちになれない作者の複雑な気持ちが伝わります。

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