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「商山の早行」溫庭筠

2017-03-23 14:29:08     cri    


 今年の北京はいつになく春の訪れが早いように感じています。暦の上でも春分を過ぎ、朝も明るくなるのが早くなってきました。私にとっては、いよいよ早起きランニングのシーズン到來です。この時期、日本では卒業式なども行われ旅立ちのシーズンでもありますね。私が大學を卒業する頃は、卒業旅行にペンションに泊まるのが流行でした。今は、ペンションなんていう言葉も死語になっているかもしれません。先日、北京空港で卒業旅行風の2人の男子大學生を見かけました。「指差し中國語會話」なる本を片手に、苦労しながらタクシーに乗るところでした。お手伝いしようかなとも思いましたが、若い2人のこと。きっと何とかなると思い、心の中で「頑張って!」とつぶやいて通り過ぎました。収穫の多い、旅になりますように。さて、今日は溫庭筠の「商山の早行」を紹介します。

 作者、溫庭筠は晩唐の詩人。山西省太原の人。若い頃から文才は認められていましたが、素行が悪く結局、科挙の試験は何回か受けましたが合格しませんでした。しかし、8回腕組みすると16の詩ができると言われるほど、詩の才能には溢れていたようです。タイトルの「商山の早行」は、西安の東南約140キロの商山という所を、朝早く出発するという意味です。「徵鐸」の徵は旅にでること、鐸は旅人が馬の首に付けた大きな鈴をいいます。2句目の「故郷」と出てきますが、これは作者の故郷太原ではなく、長安を指しているようです。この後は「霜」「槲葉」つまりかしわ、「枳花」からたちと季節を表す単語が並びます。「霜」と聞くと冬のイメージが強いのですが、かしわやからたちは、やはり春です。一気に春にならず、遅霜でも下りたのでしょう。白い霜と白いからたちの花。色とりどりではない春の描寫が、作者の気持ちをよく表しています。

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