最近、中國では「裸婚時代」というドラマが各地でオンエアされ、高い視聴率を得ました。これにちなんで、「裸婚」は再びホットな話題となり、様點な議論を招いています。
「裸婚」という言葉は、2008年に初めてインターネットに登場しました。マイホームやマイカーどころか、披露宴もなく結婚指輪もない、ただ入籍手続きをするだけの「素樸な結婚」を指します。ここ2、3年、金融危機による不況が続き、就職難や結婚難などの要素も加わって、都市部の若者たちは様點なプレッシャーに曬されています。やむを得ず「裸婚」を選んだ人が増えています。こんな背景の下で、ドラマ「裸婚時代」が生まれました。1980年代に生まれた主人公のカップル、子供が出來ちゃったので、仕方なく「裸婚」を選びました。しかし結婚後、煩わしい現実とややこしい親族関係に悩まされ、結局離婚してしまったという物語です。
中國の初代目一人っ子たち、つまり80後、1980年代生まれの世代は、今ちょうど30代に入りつつ、結婚問題に直面していますね。実家でいつもあまやかされる一人っ子たち、結婚すると、二人の問題だけではなく、二つの家族の間でいろんな揉め事が出てきますね。中國の伝統的な考え方には、「成家立業」、つまり一家を立てるという言い方があります。今の時代では、一家を立てるには、マイホームやマイカーなどの物質的な條件が必要とされています。特にお嫁さんをもらう立場にある男性には、それなりの物質的な條件が要求されます。いつの間にか、マイホーム、マイカーと一定額の貯金は、結婚する前提條件と見られるようになりました。
しかし、1980年代生まれの世代、今はせいぜい30歳ぐらいですね。30歳ぐらいでマイホームやマイカー、一定額の貯金を揃えるなんて、親の支援がなければ、大変ではないでしょうか。最新の調查によりますと、いま、中國では、30歳以上のサラリーマンのうち、マイホームもマイカーもない人が、5割以上いるということです。特に、1981年から1984年の間に生まれた人のうち、7割はマイホーム、マイカー、貯金のいずれもない「三無者(三ゼロ)」だそうです。厳しい時代に裸婚は仕方のない選択ですね。もちろん、純粋に愛を求めるために、裸婚を選んだ人もいるかもしれませんけど、今の時代では、より大きなプレッシャーに曬されると思いますね。ドラマの主人公も結局現実に負けてしまいましたね。
このドラマのオフィシャルサイトで行われたアンケート調查によりますと、裸婚に賛成する回答者は43%で、「絶対にいやだ」と答えた人は47%ということです。いずれも半分を過ぎていませんね。しかも、非常に近い數字です。確かに、結婚はマイカーやマイホーム、貯金によって成し遂げるものではありませんが、ある程度の物質的な基礎がなければ、家庭の営みはやっぱり苦しくなると思いますね。
では、親の世代は若者たちの裸婚をどのように見ているのでしょうか。北京のIT企業に勤めている男性の劉さん、今年は30歳で、長年付き合ってきた彼女との結婚を考えていますが、マイホームをまだ購入していないため、結婚話はなかなか進まなかったようです。劉さんはもちろん裸婚に賛成していますが、劉さんのお母さんは猛烈に反対しています。理由の一つは、物質的な條件が備わないと、家庭の安定が保障できず、お互いにとって無責任だということです。
親の世代はそもそも貧しくて苦しい生活を體験してきたので、その辛さを子供たちにさせたくないんだと思います。ですから、かつて「素樸な結婚」を體験してきた親の世代はいま、「裸婚」の反対者となっています。自分の苦労を子供に體験してもらいたくないし、自分の子どもの晴れやかな姿も見たいんでしょうね。きっと。(つづく 「イキイキ中國」より)
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